インドネシアで日本人採用を成功させるために ― 求人過多時代の戦略
Authored by 森 智和, パートナー, パーソルコンサルティング インドネシア • 3 min read
2010年から2015年までインドネシアは日系企業による進出ラッシュがあり、その当時、日本人求職者の中でも有望な就職先であったのは事実。しかしその後、ベトナムなどの隣国、不動の人気を誇るシンガポールやタイ就職が活況となり、今では不人気となったインドネシア就職――。2003年にインドネシア移住をした筆者独自の目線で、雇用主の立場から現状と課題を解説します。
依然として“求人過多”
日本人に人気なタイ、そして近年人気となったベトナム、フィリピンと異なり、インドネシアでは求職者が集まりにくい国の一つです。その背景には、「働きたい」「住みたい」と思える情報が乏しいことが原因でしょう。
人が「海外で働こう」と欲した際、先ず、目指す国や地域の「治安」「言語」「宗教」「親日・反日」「医療」「物価」を調べますが、よほどその国に思い入れが無い限り、不安要素の少ない国を目指すものです。また、昨今の円安と燃料費の高騰から、思いのほか高くつくインドネシア渡航費用が、より近場の国へ目を向けさせる一因ともなっています。結果として、インドネシアは日本人求職者の少ない、求人過多の状態を生みやすいのです。
状況に変化も
とはいえインドネシアも、以前より求職者が増えています。オンライン面接が浸透したことで、求職者は日本や他国に居ながら面接を受け、オファー確定後にビザを取得して入国する流れができました。
ただ、他国も同様に面接のハードルが下がったため、1人の求職者に対し複数の国からオファーが出る状況も生まれています。
雇用側に求められる変化
以前は、求職者がインドネシアを目指し、インドネシアへ面接を受けに来るほどですから、相応の覚悟を持って来ていたのは事実で、雇用する側も、オファーを出せば比較的スムーズに採用できていました。一方で今は、日本人求職者にとって、インドネシアは「複数ある候補国のうちの一つ」なのです。
そこで重要なのが、採用戦略を練り、“インドネシアで働く醍醐味”を求職者に感じてもらう努力です。若手には「インドネシア、面白そう!」と関心を持ってもらうことが重要です。どういったキャリアを目指せるか、他国への異動の可能性や会社の未来を語り、イメージを持ちやすくするために資料を見せながら説明してもよいでしょう。中堅やベテランには業務や責任を重点に仕事の魅力を伝え、待遇条件、医療補助、家族ケアを重視し、本社面接も検討しましょう。
さらに、面接開始からオファーまでを遅くとも1カ月以内に行うスピードも、人材を逃さない秘訣です。
ローカル化の本質
大手企業では以前に比べ後任人材が不足しているとはいえ、駐在期間は3~5年が一般的ですが、中小企業では10年たっても帰任できず、そのままインドネシアで定年を迎える方も少なくありません。本社の人材枯渇が深刻な問題となったそれら企業では、駐在員の後任候補として日本人の現地採用を検討する会社が増えるのです。過去にあった「コスト削減のためのローカル化」ではなく、「会社の将来を託すローカル化」を行うべく、雇用側の意識を変えることも重要だと筆者は考えます。戦略も去ることながら、待遇条件をより柔軟に対応すべく、よく目にする求人情報に書かれる条件以上の予算をもって、人材の獲得を目指しではどうでしょうか。
本記事に関するお問い合わせ
パーソルAPAC
✉persolapjapandesk@persolapac.com
Related Articles
インドネシア就職は今がチャンス!売り手市場でキャリアを切り開く
2010年から2015年までインドネシアは日系企業による進出ラッシュがあり、その当時、日本人求職者の中でも有望な就職先であったのは事実。し...
組織文化の浸透がエンゲージメントを高める
前回お伝えした通り、ミドルマネジメントによる「期待のすり合わせ」を機能させるためには、それを支える「仕組み」の導入と、それを通じた「組織文...
エンゲージメント向上にはミドルマネジメントの関与が重要
「チームの一員である」と感じさせる要素は何かを紐解きます。
エンゲージメント発現の要素
エンゲージメントの本質的な正体は何なのか、つまり、何が成立すれば、社員が「参加」している状況を生み出せるのかを見ていきます。




